Lydian Lion Club 完全紹介制

貨幣の起源を
愛する仲間たち

紀元前7世紀、リディアで生まれたライオンのコインに魅せられた人のための、完全紹介制の倶楽部

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※ ご入会には、会員からのご紹介が必要です。

About the Club

当倶楽部について

リディアン・ライオン倶楽部は、紀元前7世紀頃、小アジアのリディア王国(現在のトルコ西部)で作られた、ライオン頭のコインに魅せられた人たちの集まりです。コインの素材は、金と銀が混じり合ったエレクトロン(琥珀金。エレクトラムとも)。表には、ほえるライオンの頭が刻まれています。

世界で最も古いコインは、紀元前650〜630年頃の模様のないエレクトロン貨や、筋の刻印だけが入ったエレクトロン貨とされています。ライオン頭のトライト(1/3スタテル)は、それに続いて生まれた最初期の量産型コインです。小さな一枚に、人がお金を「数えて使う」ようになった時代の手ざわりが残っています。

リディアンライオン倶楽部、略して「LL倶楽部」。当倶楽部は、会員からのご紹介によってのみご入会いただける、完全紹介制のコミュニティです。顔の見える関係のなかで、落ち着いて語り合える場を大切にするため、この形をとっています。ご紹介があれば、世界史に詳しくない方も歓迎します。

わかっていることと、説を分けて

研究者の間で意見が分かれていることは「〜とされる」「〜と考えられている」と区別して語ります。

やさしい言葉で

専門用語にはできるだけ説明を添え、はじめての方にも楽しめる場をめざします。

眺めて、学ぶための場

当倶楽部はコインの販売・買取・鑑定は行いません。歴史と造形を味わうことを大切にします。

The Kingdom of Lydia

リディア王国の歩み

  1. 紀元前7世紀ギュゲス王の時代王国が力を広げ、小アジア西部の強国になります。
  2. 紀元前650〜630年頃最初期のエレクトロン貨模様のないものや、筋の刻印だけのものが生まれたとされます。
  3. 4代目の王アリュアッテス王の時代ライオン頭のコインは、この王の時代のものとされます。
  4. 紀元前6世紀半ばクロイソス王の改革エレクトロン貨をやめ、純金貨と純銀貨に切り替えたとされます(金貨は「クロイセイド」)。
  5. 紀元前547年または546年頃サルディスが落ちるアケメネス朝ペルシアのキュロス2世に敗れ、王国は終わりました。
エーゲ海 エフェソス パクトロス川 メソポタミア方面へ (のちの「王の道」) サルディス
位置関係のイメージ図(縮尺・地形は正確ではありません)

交易の要所に生まれた知恵

都サルディス(サルデス)は、エーゲ海とメソポタミアを結ぶ交易路の要所でした。のちには、ペルシアの「王の道」の西の終点にもなります。そばを流れるパクトロス川でとれる砂金が、王国の富のもとになりました。

  • コインができる前エレクトロンの塊や砂金を、取引のたびに量って重さを確かめ、質も確かめて支払っていたと考えられています。
  • コインができてから重さをそろえた小さな塊に、発行する者が刻印を打って価値を保証しました。刻印を見るだけで取引できるようになり、量って支払う手間が省けたのです。

「我々の知る限りでは、金銀の貨幣を鋳造して使用した最初の人々であり、また最初の小売り商人でもあった」

— ヘロドトス『歴史』1巻94節より、リディア人について
The Lydian Lion Trite

ライオン頭のエレクトロン貨とは

表面:右を向いてほえるライオンの頭が刻まれたエレクトロン貨

表:ほえるライオン

右を向いてほえるライオンの頭。額には、光の筋のような飾りや突起があります。太陽を表すという見方もありますが、はっきりしたことはわかっていません。

裏面:大きさの違う二つの四角いくぼみがあるエレクトロン貨

裏:四角いくぼみ

裏には模様はなく、大きさの違う四角い打ち込みのくぼみがあります。作るときに上から当てた道具の跡です。

コインの移り変わり

  1. Stage 1模様のないエレクトロン貨重さをそろえた粒。最も古いコインのひとつとされます。
  2. Stage 2筋の刻印だけのエレクトロン貨表に筋の刻印が入ったもの。
  3. Stage 3ライオン頭のトライト最初期の量産型コイン。アリュアッテス王の時代のものとされます。
  4. Stage 4クロイソス王の純金貨・純銀貨エレクトロンをやめ、金と銀を分けた制度へ。

琥珀金の名の由来

エレクトロンは、金と銀の天然の合金です。「エレクトロン」はギリシャ語で琥珀のこと。淡い黄色が琥珀に似ていることから、こう呼ばれました。日本語の「琥珀金」も同じ由来です。

都サルディスのそばを流れるパクトロス川では、砂金、つまり自然のエレクトロンがとれました。ただし自然のエレクトロンは、金と銀の割合が一定しません。

エフェソスのアルテミス神殿の下からは、紀元前7世紀後半に奉納されたエレクトロン貨が見つかっています。模様のないものと、ライオン頭のものの両方が含まれていました。

金の割合をくらべる

自然のエレクトロン(平均):金 約73%
ライオン頭のコイン(分析例):金 約54%・銀 約44%・銅 1〜2%

コインは、自然のものより金の割合が低く調整されていたとされます。

額面の大きさ比べ

1/3(トライト) 約4.7g 1/6 約2.4g 1/12 約1.2g 1/48 約0.29g 1/96 約0.15g
大きさの比率はおおよそのイメージです(単位:スタテル)
額面と重さの目安
額面呼び名重さの目安
1/3スタテルトライト約4.7g(大きさはおよそ11〜13mmで、1枚ずつ違う)
1/6スタテルヘクテ約2.4g
1/12スタテルヘミヘクテ約1.2g
1/48スタテル—約0.29g
1/96スタテル—約0.15g(ライオンの足の模様のものがある)

用語解説

エレクトロン(琥珀金)Electron

金と銀の天然の合金です。自然のものは金の割合が一定せず、平均で金がおよそ73%。ライオン頭のコインは金がおよそ54%で、割合が調整されていたとされます。

トライト(1/3スタテル)Trite

スタテルは額面の単位で、トライトはその3分の1。重さは約4.7g、大きさはおよそ11〜13mmです。どのくらいの価値だったかは、研究者によって見方が分かれます。

リディア王国Lydia

アナトリア半島(現在のトルコ西部)のリディア地方を中心に栄えた国家で、王都はサルディスである。世界で初めて硬貨(エレクトロン貨)を導入したことで知られる。前7世紀にアナトリア高原で最も勢力の強い国となり、メディア王国と争った。前560年に即位したクロイソスは、エーゲ海沿岸のギリシア植民都市を征服した。前548年にはハリュス川を越えてカッパドキアへ攻め込み、キュロス2世が率いるアケメネス朝ペルシアと戦った。しかし前547年にサルディスを占領され、クロイソスは捕虜となった。こうしてリディアはペルシアの属領となった。

表と裏・打刻のしくみStriking

模様の型を台に据え、重さをそろえた金属の粒を置き、上からポンチ(たがね)を当ててハンマーで打ちます。ライオンは下の型から、裏のくぼみは上のポンチから付きました。

④ ハンマー ③ ポンチ(たがね) → 裏のくぼみになる ② 金属の粒 ① 模様の型 → 表のライオンになる 台

リディア文字の銘「Walwet」が入ったコインはとても珍しく、ほとんどのコインには文字がありません。Walwetはアリュアッテス王を指すという説が有力です。

Reading the Label

コインの表記を読む

古代コインの鑑定会社NGCでは、ライオン頭のトライトを次のように表記します。色の付いた部分にカーソルを合わせる(スマホではタップする)と、意味が表示されます。

標準表記

  • LYDIAN KINGDOM:リディア王国
  • Alyattes or Walwet:アリュアッテス王、または銘「Walwet」
  • ca. 610-546 BC:作られたと考えられている年代
  • EL third-stater or trite:エレクトロンの1/3スタテル(トライト)
ラベルの短い書き方

Lydia c.610-546 BC EL Third stater

標準表記の後には、サイズ・重量・グレードが続き、「Lydo-Milesian standard, Sardes」などが付け加えられることもあります。

※ 表記例は説明用の架空のものです。実在するコインの値ではありません。

グレードの見方

  • VF
  • Ch VF
  • XF
  • Ch XF
  • AU
  • Ch AU
  • MS
段階と「Ch」
左から右へ、低いほうから高いほうへ並んでいます。「Ch」は「Choice(チョイス)」の略で、同じ段階の中で上のほうという意味です。
Strike・Surface
Strikeは打刻の質、Surfaceは表面の状態。どちらも1〜5の5段階で、5がいちばん良い評価です。
★(スター)と注記
★は、見た目が特に美しいコインに付く印です。「scuffs(すれ)」などの注記が付くこともあります。
認証番号
ラベルには1枚ずつ認証番号が付いていて、NGCのサイトで照会できます。

グレードごとの鑑定枚数

NGCが鑑定したライオン頭のトライト(Lydia c.610-546 BC Third-Stater)が、どのグレードに多いかを示したグラフです。赤い部分は、そのうち★が付いたコインの枚数です。グレード名の下の%は、全体(1,137枚)に占める割合です。

2026年11月時点 出典:NGC Population Guide(割合は同ガイドの表示に合わせて整数で記載)。鑑定が進むにつれて数字は変わります。

グレードごとの鑑定枚数(NGC Population Guide、2026年11月時点)合計1,137枚。VG 8枚(1%)、F 23枚(2%)、Ch F 59枚(5%)、VF 176枚(15%)、Ch VF 309枚(27%)(うち★10枚)、XF 184枚(16%)(うち★4枚)、Ch XF 194枚(17%)(うち★22枚)、AU 124枚(11%)(うち★15枚)、Ch AU 53枚(5%)(うち★12枚)、MS 7枚(1%)。01002003008VG1%23F2%59Ch F5%176VF15%309★10Ch VF27%184★4XF16%194★22Ch XF17%124★15AU11%53★12Ch AU5%7MS1%

合計 1,137枚(うち★ 63枚)

いちばん多いのは Ch VF(309枚)で、全体の約27%です。PR・FA・AG・G、Ch MS・Gem MS は0枚のため、グラフには載せていません。

グレードごとの鑑定枚数(2026年11月時点)
グレード枚数うち★割合
VG801%
F2302%
Ch F5905%
VF176015%
Ch VF3091027%
XF184416%
Ch XF1942217%
AU1241511%
Ch AU53125%
MS701%
Behind the Name

名称に込めた想い

  • リディア
  • ライオン
  • 起源

名前を考えるとき、私たちは「リディア」「ライオン」「起源」という三つの言葉から候補を出し合いました。選んだのは、収集家の間でそのまま通じる呼び名「Lydian Lion」と、品の良さと歴史の重みを感じさせる「倶楽部」の組み合わせです。

小さなライオンのコインのように、長く大切にされる集まりでありたいと願っています。

Activities

12の活動内容

「学ぶ」「味わう」「つながる」を軸に、会員どうしで古代コインの魅力を分かち合う12の活動です。

  1. 勉強会

    論文や図録を少しずつ読み進め、リディア王国やエレクトロン貨について、会員どうしで学び合います。

  2. 講座・セミナー

    専門家などを講師に迎え、はじめての方にもわかりやすく、古代コインの歴史や見どころを学ぶ場を設けます。

  3. 研究発表

    会員が調べたことや気づいたことを発表し、意見を交わしながら理解を深めます。

  4. 鑑賞会

    図版や資料をもとに、ライオンの表情や打刻の跡をじっくり眺めて楽しみます。

  5. 情報交換

    論文や展示の情報、表記の読み方など、学んだことを持ち寄って共有します。

  6. コイン交換会

    会員どうしで図録や資料、コレクションを持ち寄り、見せ合ったり交換したりして楽しむ会です。

  7. オークション参加

    古代コインのオークションの開催情報や下見会の知らせを共有し、関心のある仲間と参加します。倶楽部が売買を仲介することはありません。

  8. 催事参加

    コインや古代史に関する展示会・イベントにそろって出かけ、実物や最新の研究にふれる機会をつくります。

  9. オフ会

    同じ関心を持つ仲間と、顔を合わせて語り合う場を企画します。

  10. SNSコミュニティ

    オンラインで気軽に話題を共有できる場を設け、遠方の方とも日ごろからつながれるようにします。

  11. オリジナルアプリ

    会員の皆さまがスマートフォンなどで手軽に使える、当倶楽部オリジナルのアプリを企画・開発します。コインの記録や資料の閲覧などに役立つ機能をめざします。

  12. データベース構築

    ポピュレーションガイドやオークション落札/ショップ販売履歴などを整理したデータベースをつくり、研究や鑑賞、判断の基準に役立てます。

Column

コラム

読み物 01

ヘロドトスが伝えるクロイソス王の物語

ここで紹介するのは、ヘロドトスが『歴史』で伝える物語です。本当にあったことかどうかはわかりません。

物語によると、クロイソス王は「大きな国を滅ぼすだろう」という神託を、自分に都合よく読み違えて戦いに臨みました。かつて賢人ソロンは、王に「人が幸せだったかどうかは、最期まで見なければわからない」と語ったといいます。敗れた王は火にかけられそうになりましたが、その言葉を思い出して救われた、と物語は伝えています。

読み物 02

日本の小判とのつながり

江戸時代の小判なども、じつは金と銀の合金でした。遠く離れた時代と場所で、金と銀を混ぜた貴金属がお金として使われていたという共通点があります。

もちろん、小判とエレクトロン貨はまったく別のものです。それでも、身近な小判を手がかりにすると、古代リディアのコインが少し近くに感じられるかもしれません。

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FAQ

よくあるご質問

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現在、入会金・年会費はいずれも無料です。なお、将来的には有料化を予定しています。

年齢制限は設けていません。

グレードやサイズの条件は設けていません。NGC鑑定済みのリディアのエレクトロン貨であれば、どのグレード・サイズでも対象です。

会員の皆さまには、当倶楽部専用のLINEグループにご参加いただきます。会員どうしの連絡や情報交換は、主にこのグループで行います。

References

参考資料